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フリーランスのPMは、案件ごとに使うツールが変わります。ある現場はJiraとSlack、次の現場はBacklogとChatwork、ということも珍しくありません。
どの会社がどの組み合わせを使いがちかを知っておくと、参画してからの立ち上がりが速くなります。 この記事では、筆者がPMとして案件に入る前に確認しているツールの一覧を、用途別にまとめました。
料金や機能はよく変わるため、この記事では特徴と向いている場面だけを書いています。導入や提案の前に、各公式サイトで最新の情報を確認してください。
結論:まずは「会社のタイプ別の組み合わせ」を押さえる
| 会社のタイプ | よくある組み合わせ |
|---|---|
| SaaS・Web系(中〜大規模) | Jira + Confluence + Slack + GitHub + Figma |
| スタートアップ | Notion + Slack + Linear(またはGitHub Projects)+ Figma |
| 日本の受託開発・制作会社 | Backlog + Chatwork(またはSlack)+ Excel(WBS) |
| 大企業(Microsoft系) | Teams + SharePoint + Excel / Microsoft Project(またはAzure DevOps) |
| 金融・SIer | Redmine(社内サーバー)+ Excel + メール。社外クラウドに制限があることが多い |
面談の段階で「進捗やタスクは何で管理していますか?」と聞いておくと、入る前に準備ができます。面談で聞いておきたい質問はフリーランスPM案件の面談対策にまとめています。
1. タスク・プロジェクト管理
| ツール | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Jira | スクラム・カンバン、細かいワークフロー設定、レポートが強い。Confluenceと連携 | 中〜大規模のソフトウェア開発、SaaS企業 |
| Backlog | 国産。ガントチャート、Wiki、Gitが一体。非エンジニアも使いやすい | 日本の受託開発、制作会社、社内情報システム |
| Asana | リスト・ボード・タイムラインを切り替えられる | マーケティング、企画、部署をまたぐ共同作業 |
| Linear | 動作が速くシンプル。サイクル(スプリント)とGitHub連携が強い | スタートアップ、エンジニア中心のプロダクト開発 |
| GitHub Projects | IssueとPRに直結したボード・表・ロードマップ | 小規模チーム、開発タスクだけを管理したい場合 |
| Notion | タスクとドキュメントを同じ場所で管理できる。自由度が高いぶん設計が必要 | 少人数チーム、個人のタスク管理 |
| Trello | カンバンに特化。導入がいちばん簡単 | 小さなプロジェクト、非エンジニア中心 |
| Redmine / Lychee Redmine | 自社サーバーに置ける。Lycheeはガントや工数管理を強化した国産版 | 金融・大企業・SIerなど、社外クラウドを使えない現場 |
| Azure DevOps / Microsoft Planner | Microsoft 365と一体 | Microsoft製品で統一している大企業 |
| ClickUp / monday.com / Wrike | タスク、ドキュメント、ダッシュボードをまとめた多機能型 | 複数のプロジェクトやリソースを横断で管理したい組織 |
2. ナレッジ共有・ドキュメント
| ツール | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Confluence | 仕様書・議事録のテンプレートが豊富。Jiraのチケットと相互リンク | Jiraを使う組織の仕様書・設計書 |
| Notion | ページとデータベースを組み合わせられる。AIで検索・要約 | スタートアップの社内Wiki、個人のナレッジ |
| esa / DocBase / Qiita Team | 国産。Markdownで書きやすい | エンジニアが多い日本の開発チーム |
| NotePM | 国産。フォルダ構成と全文検索に強い | マニュアルや社内規程を全社で共有したい企業 |
| Googleドキュメント / ドライブ | 同時編集とコメントが簡単 | Google Workspaceを使う組織、社外との共同編集 |
| SharePoint / OneDrive / Loop | Microsoft 365と一体。権限管理が細かい | Microsoft製品で統一している大企業 |
3. コミュニケーション・会議
| ツール | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Slack | チャンネルとスレッド。外部ツール連携が豊富 | IT・SaaS企業の社内コミュニケーション |
| Microsoft Teams | チャット・会議・ファイルが一体 | Microsoft 365を使う企業 |
| Chatwork | 国産。シンプルで、社外の人ともつながりやすい | 中小企業、受託開発でのクライアントとのやりとり |
| Zoom / Google Meet | オンライン会議。AIでの議事録作成機能もある | 社外との会議、面談 |
| AI議事録ツール(Notta、tl;dv、Otterなど) | 文字起こし、要約、ToDoの抽出 | 会議が多いPM。使う前に参加者の同意と、取引先のルールを確認する |
4. 図・ホワイトボード・デザイン
| ツール | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Miro / FigJam | オンラインのホワイトボード。付箋、投票、テンプレートが豊富 | ワークショップ、振り返り(KPT)、ユーザーストーリーマッピング |
| Figma | 画面デザインとプロトタイプ。コメントでレビューできる | 画面仕様の確認、デザイナーとのやりとり |
| draw.io / Lucidchart / Cacoo | 構成図・フロー図・ER図。draw.ioは無料 | システム構成図、業務フロー |
| Mermaid | 文章(コード)で図を書く。GitHubやNotionで表示でき、AIにも書かせやすい | 仕様書に入れるフロー図、シーケンス図 |
5. スケジュール・ロードマップ
| ツール | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Excel / Googleスプレッドシート(WBS) | 誰でも開ける。更新が手作業になりがち | 受託開発の計画書、経営層への報告 |
| Microsoft Project | 依存関係、クリティカルパス、要員計画に強い | 大規模なウォーターフォール型プロジェクト |
| Jiraのタイムライン / Backlogのガントチャート | チケットからスケジュールを作れる。二重管理にならない | 開発タスクと計画を一緒に見たい場合 |
| Productboard / Aha! | 顧客の要望を集め、優先度をつけてロードマップにする | 要望が多いSaaSのプロダクトマネージャー |
6. 分析・ユーザー理解
| ツール | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Google Analytics / Looker Studio | アクセス解析と、無料のダッシュボード | 利用状況の把握、KPIの報告 |
| Amplitude / Mixpanel | 機能ごとの利用率、ファネル、継続率 | SaaSの機能改善、A/Bテストの評価 |
| Microsoft Clarity / Hotjar | ヒートマップと操作の録画。Clarityは無料 | どこでユーザーが迷っているかを見たいとき |
| Googleフォーム / Typeform | アンケート、インタビューの募集 | 顧客の声を集めるとき |
7. 開発との連携
PMが自分で使うことは少なくても、どこを見ればいいかは押さえておきたいツールです。
| ツール | PMが見るところ |
|---|---|
| GitHub / GitLab / Bitbucket | プルリクエストの進み具合、CIの結果、リリースノート |
| Sentry / Datadog | リリース後のエラー件数、障害の影響範囲 |
| Claude Code / GitHub Copilot / Cursor | AIに守らせるルールの整備と、差分をレビューする体制 |
8. AIアシスタント・自動化
| ツール | PMでの使い方 |
|---|---|
| Claude / ChatGPT / Gemini / Microsoft Copilot | 議事録・要件定義・レポートの下書き、仕様のレビュー。基本は取引先が導入しているものを使う |
| Notion AI / Atlassian Rovo | ツールの中の文書を横断して、過去の経緯や仕様を探す |
| Zapier / Make / Power Automate / n8n | 定例報告の自動作成、フォームからのチケット作成など |
AIの出力は下書きとして使い、数字や決定事項は一次情報と突き合わせてから共有するのが基本です。AI時代のPMの役割はPMの役割とは?変わらない5つの基本原則で詳しく書いています。
ツール選びを相談されたときの確認項目
PMとして入ると、「どのツールを使えばいいか」を相談されることもあります。そのときは次の点を確認します。
- 誰が使うか:エンジニアだけか、営業やクライアントも使うか
- 今使っているものとつながるか:Google WorkspaceかMicrosoft 365か、シングルサインオンに対応しているか
- セキュリティの要件:データの保存場所、アクセス権限、監査ログ、社外クラウドの利用可否
- 料金:1人あたりの月額 × 人数、人数が増えたときの費用
- 導入と定着の手間:誰が設定し、使い方のルールを決めるか
- やめるときにデータを出せるか:CSVやAPIで書き出せるか
ツールを増やすより、「どの情報をどこに置くか」を決めるほうが効果は大きいです。たとえば「決定事項はConfluence、作業はJira、相談はSlackのスレッド」のように、置き場所のルールを1枚にまとめて共有しましょう。
フリーランスPMならではの注意点
複数の取引先と仕事をするフリーランスは、ツールの使い方で信頼を失わないよう注意が必要です。
- 案件の情報は取引先のツールに置く:自分のNotionやGoogleドライブに、取引先の情報を移さない
- 取引先ごとにログインを分ける:ブラウザのプロフィールを取引先ごとに作る
- アカウントと権限の一覧を作る:開始時にもらったアカウントを書き出し、終了時にすべて返却・削除する
- パスワードはパスワードマネージャーで管理する:取引先ごとに保管場所を分ける
- AIツールは契約を確認してから使う:AI議事録やAIアシスタントに取引先の情報を入れる前に、契約とルールを確認する
こうした情報管理の姿勢は、面談でも評価されるポイントです。
ツール経験は案件探しの武器になる
案件の募集要項には「Jiraの利用経験」「Backlogでの進行管理経験」のように、ツールが書かれていることがよくあります。経験したツールは職務経歴書にも書いておきましょう。
ただし、ツールの経験だけで単価が上がるわけではありません。単価の決まり方はフリーランスPM案件の単価は何で決まる?を参考にしてください。PM案件を探すなら、エージェントを2〜3社併用して比べるのがおすすめです。各社の特徴はフリーランスエージェント比較ランキングにまとめています。
まとめ
- フリーランスPMは、会社のタイプ別によくあるツールの組み合わせを押さえておくと立ち上がりが速い
- 面談の段階で、タスク管理に何を使っているかを聞いておく
- ツール選びを相談されたら、使う人・連携・セキュリティ・料金・定着・データの書き出しを確認する
- ツールを増やすより、情報の置き場所のルールを決めるほうが効果が大きい
- 取引先の情報は取引先のツールに置き、アカウントやAIの利用は慎重に管理する